【体験談】保育士の一日の流れと現場で気づいた注意点と学び
私は、自動車整備士として15年間仕事をし、一般受験で保育士資格を取得してから保育士になりました。

保育スキルゼロの状態から保育士へ転職し、右も左も分からない状態。
優しい現場のみなさんに育ててもらっているところです。
そんな私が、保育現場に入って強く感じているのは「広い視野を持ち、臨機応変に動くこと」の大切さ。
どの仕事にも柔軟さは必要ですが、保育の現場では目の前に子どもの命があり、予測不能な行動に対応し続けなければなりません。
そのため、他の職業以上に即時の判断力と仲間との連携が重要だと感じます。
この記事では、私が「二歳児クラスの担任」として過ごす一日の流れを具体的に紹介しながら、現場で気づいた注意点や自身の課題をまとめていきます。
特に、異業種から保育士を目指す方や、未経験・スキルゼロで挑戦しようと思っている人に役立つ情報を意識しています。
私は保育園勤務なので、勤務する園によって多少の違いはあると思いますが、大まかな流れは同じだと考えます。
保護者の皆さんにとっても、保育士がどのような状況で仕事をしているのかを知るきっかけになれば幸いです。
朝の登園対応(8:30〜)
保護者とのやり取り
朝一番の仕事は子どもを迎えること。
保護者に「変わったことはありませんか?」と確認し、健康状態や家庭での様子を把握します。
これは単なるルーティンではなく、子どもの安全を守るための重要な時間です。
鼻水、咳、充血をはじめ、皮膚の赤みや傷などは、朝からその状態だったのかどうかが状況判断の大切な要素になり得ます。
そう分かってはいるのですが、そんなにうまくはいきません。
子どもたちの登園のタイミングが重なることもありますし、子どもが保護者から離れないこともあり、それらに対応していると見落とすこともあります。
肌の傷に気付いた先生から「これ、朝からあったか分かります?」と聞かれ、「確認不足でした!すみません」となることも。
「保護者に聞くこと」と「自分で観察すること」の両方を同時にできるよう、普段から意識しています。
保育で必要となる保護者の言葉と子どもの表情・動作を同時にキャッチする力。これがスキルゼロの状態から身につけるべき最初の壁(まだ続いている)でした。
子どもの荷物整理と観察
登園後は、子どもが持ってきた荷物を片付ける見守りと同時に、連絡帳を確認します。
これまで、大人相手に仕事をしていた私が戸惑ったのは、子どもの読めない行動への対処です。自分のタスクをこなしながら、子どもの動きを常に把握しなければならず、これがなかなかに困難です。
子どもに集中すると手元の作業が進まず、作業に集中すると子どもの様子や登園してきた子どもに気が付かないという始末。
すかさず周りの先生がフォローしてくれますが、「自分の仕事よりも子どもの安全が最優先」を意識して動くことが重要で、「今やるべきことは何か?」の最適解を探る日々です。
職員間の連携
私が担当する二歳児クラスは、パンツとおむつの子が混在しており、排泄の失敗もつきものです。
お漏らしがあれば一人が対応し、残りの職員で子どもを見ることになります。
そのため「今、自分が何をしているのか」を周囲に伝えることが重要です。
また、「周りの人は何をしているのか」を見ることも、強く意識しています。
この意識は、チームで動いていく仕事であれば職業が変わっても同じではないでしょうか。
保育士は「共有」と「協力」が前提の職業。目の前の子どもたちを職員が一致団結して守っていく。
ここで求められる強いチームワーク力は、転職して実感した大きな学びでした。
午前中の活動
先輩職員の行動を理解する
私にとって、保育現場は分からないことばかりです。
先輩保育士が、なぜ今その対応をしているのかを理解できないこともあります。
その際に重要だと考えているのは「分からないことは勝手に判断せずに質問する」ことです。
スキルゼロだからこそ、素直に「なぜですか?」「こういうことですか?」と聞くことは成長につながると考えています。
また、独断で動くと、子どもの安全に直結するミスにつながる可能性もあるため、日ごろから気を付けています。
おやつの時間と安全管理
子どもたちが楽しみにしているおやつの時間。
楽しい時間ではありますが、食べものを食べる以上、油断すると誤嚥などの事故につながるリスクがあります。
おしゃべりしながら食べる子には「食べてから話そうね」「よく噛んで食べようね」と声をかけ、苦手な食べ物がある子には横についてサポートします。
そして、私が繰り返し伝えているのは、「いただきます・ごちそうさま」の大切さ。
「命をいただいていること」を伝え、食べ残しをしないことへの理解につなげています。
遊びと自由活動
自由遊びの時間には、子どもたちの動きが予測不能に広がります。
これまで染みついていた「計画通りに進める」感覚はここでは通用せず、「その場で安全を守る判断力」が求められます。広い視野と臨機応変の対応力こそ、保育士に欠かせないスキルだと痛感しました。
昼食とお昼寝
昼食の注意点
昼食でも誤嚥防止が最重要。さらに、偏食や好き嫌いにどう対応するかも重要です。食べさせる工夫としては、配膳する量の調整、食べる意欲を上げるための声かけを行っています。
子どもの気持ちに寄り添い、それに合わせた言葉を選んでいくことを意識しています。
お昼寝の観察
お昼寝では窒息や痙攣など命に関わるリスクがあります。
常に子どもの様子をチェックし、姿勢や呼吸の状態を10分ごとに「午睡チェック表」に記録していきます。
そのほか、外れてしまったヘアーゴムを手首に付けてうっ血した事例や抜けた髪の毛を指に巻き付けていた事例があると教わりました。
子どもならではの行動が、危険につながるケースがあるため注意しています。
これまでの仕事では経験しなかった「命を預かる緊張感」をひしひしと感じます。
職員の事務作業
子どもたちが寝ている間に事務作業を行います。
- 日誌、週案、月案の作成
- 個人発達記録の作成
- 保護者への配布資料などの作成
- 職員会議(週に1度)
- 連絡帳の記入
- 季節行事やイベントに必要な道具の製作
- 食育野菜の管理
- プール掃除(夏季のみ)
- 保育室の清掃
- 施設の安全チェック
- 遊具の安全チェック
事務作業がデジタル化されているかどうかは勤務する園によって様々のようです。
私が勤務している園は、アナログのまま時代が流れています。
ですが、自分のPCを持ち歩き、デジタル化できるところは切り替えていっています。
いずれにしろ、やる手段に違いはあっても、やるべきことに大きな差はないでしょう。
転職1年目の私は、一つひとつの業務に時間がかかってしまいます。まだまだ他の先生たちにフォローしてもらってばかり。限られた時間の中で、終わらせる仕事の順番を考えます。
優先順位を付けてタスクをこなしていくのはこれまでも経験してきましたが、保育士としても大切なスキルのひとつです。
午後の流れ
起床とおやつ
お昼寝後は、まだぼんやりしている子どももいます。顔を洗わせたり軽く外に出たりして、しっかり覚醒させます。
その後は再びおやつ。午前と同じく誤嚥への注意を欠かしません。
帰りの会
帰りの会では、その日にあった出来事や注意しておきたいこと、学んだことをみんなで共有します。
まだ言葉のつながりや意味を理解することが難しい子どもたち。話すときには、大人に向かって話すよりも嚙み砕いた表現じゃないと伝わりません。
私にとって「子どもたちにどう伝えるか」を考えるのは新鮮で、同時に難しい挑戦でもありました。
当事者意識を持たせるよう、「これ、〇〇してよかったっけ?」などの質問口調で語りかけるようにしています。
保護者対応
保護者が迎えに来たときには、子どもの様子を報告します。
先輩保育士たちの対応を聞いていると、それぞれの子どもたちの一日の様子を面白おかしく上手に伝えます。
実際にやってみると、まったくうまくいきません。
仕事自体に慣れておらず、朝の記憶が夕方には飛んでいることも要因の一つです。
あとから「あの話、伝え忘れた」となることが少なくありません。
そこで、今取り組んでいること。
まず「今日も変わらず元気でした」と安心を与える。
次に、事実を簡潔に伝えること。しかし、一人ひとりの内容を把握することはなかなか難しいです。
別の子どもの行動を間違って伝えてはいけないので、クラス全員の名前が入った一覧表を作り、それに一人ひとりの行動をメモするようにしています。
これまでには経験のなかった「保護者との信頼関係づくり」は、今後さらに伸ばしていきたいスキルです。メモなしで伝えられるようになることが目標です。
現場で感じた課題と工夫
空き時間の「場つなぎ」
私が担当する二歳児クラスでは、子どもが全員揃うまでの時間に集中力が途切れやすく、騒がしくなりがちです。
そのため、手遊びや紙芝居、絵本を活用した「場つなぎ」が必要です。最初は戸惑いましたが、自分自身が楽しむ姿を見せることで子どもも自然と引き込まれることが分かってきました。
「自らが楽しみ、自分の言葉で伝える」これは、これまで大人に対して磨いていた「プレゼン」や「表現力」と共通するものでした。
音楽と遊びの力
私はピアノが弾けませんが、音楽が持つ力は絶大です。
音楽が聞こえると、子どもたちの体が自然に動く様を何度も見てきました。
今後はピアノを習得し、子どもたちとの関わりをさらに広げたいと思います。
また、手遊びを複数(最低3つ以上)ストックしておくことで、場つなぎにも柔軟に対応できるようになります。
コミュニケーションとチームワーク
保育士の仕事は一人では完結しません。
子どもの命を守るためには、職員間の連携が不可欠。そのために「共有と協力」が日常にあります。
これまで、人の時間を奪わないよう強く意識してきたため、保育園に来てすぐの頃は情報を選択し、「この情報は共有が必要か?」と考え、自分の中だけに留めることが少なくありませんでした。
しかし、他の先生からその内容を言われたときに、「それ知ってました」となることが多く、「独断で大きい・小さいと決めつけず、とにかく共有しよう」と考えるようになりました。
とはいえ、クラス担任全員が集まってから伝えようと思うと、共有のタイミングを逸してしまうことがあります。
職員は全員「子どもたちの安全を守る」という、同じ方向を見て仕事をしています。
一人の先生に伝えておけば他の先生にも「情報が広がっていく」ということが分かりました。
それが分かってからは、ずいぶん仕事がやりやすくなりました。
まとめ 〜異業種から保育士へ〜
保育士の一日は、臨機応変な判断とチームワークの連続です。
異業種から転職し、スキルゼロで飛び込んだ私には戸惑うことが多くあります。
しかし、周りの頼りになる先生たちのおかげで、「安全を守る力」「柔軟な対応力」「仲間との連携力」という新しいスキルを一つずつ身につけることができています。
保育の現場は、正解のない世界です。
その時々の最適解を探りながら、子どもたちと向き合い、先生たちと協力して進んでいくことになります。
だからこそ、大変な反面やりがいを感じます。
異業種から転職を考えている人、スキルゼロで不安を抱えている人、必ず周りが助けてくれます。
保育士はこれまでにない感覚の仕事なので、「学びながら成長できる仕事」であることを強く伝えたいです。
また、保護者の人たちには「保育士全員が子どもの安全を最優先」に仕事をしていることが伝われば幸いです。
